課題解決事例
教育玩具メーカーE社

ERMでは物足りない。でもリッチすぎる触覚は要らない。教育玩具の商品企画者が「2共振」という選択肢にたどり着くまで

教育玩具メーカー
部署:商品企画部門

ERMでは物足りない。でもリッチすぎる触覚は要らない。教育玩具の商品企画者が「2共振」という選択肢にたどり着くまで

背景

知育玩具や教育向けデバイスの企画・開発を手がけるE社では、音声や効果音を活用したインタラクティブな玩具づくりに強みを持っていました。

「遊びながら学ぶ」体験を軸に、子どもが自発的に取り組める商品を数多く世に送り出してきた同社にとって、体験の分かりやすさは商品価値を左右する重要な要素です。
近年では、音声認識や電子化の進展により、教育玩具のインターフェースも高度化しています。その一方で、家庭内での使用シーンを考えると、音量を上げられない環境や、周囲が騒がしい環境も少なくありません。

そのような状況下では、音だけに頼ったフィードバックでは、子どもに十分に伝わらないという課題が、商品企画の現場で徐々に意識されるようになっていました。
こうした背景から、E社の商品企画部では、音や光に加えた新たな表現手段として「触覚」、すなわち振動によるフィードバックに改めて注目するようになりました。

課題

E社ではこれまで、振動表現として偏心モーター(ERM)を採用してきました。
ERMはコスト面や入手性、実装のしやすさに優れており、教育玩具においても広く使われている方式です。
しかし、実際の商品企画や試作評価を進める中で、Dさんは次第に違和感を覚えるようになっていたとのこと。

課題のポイント
  • ERMでは応答が遅く、体験の分かりやすさに限界があった
  • 高精細な振動方式は、コスト・設計負荷の面で現実的ではなかった商品
  • 企画段階で「体験価値」と「開発リスク」のバランスを判断できる選択肢が不足していた

「ERMの場合は音が鳴ってから、わずかな差で振動が来ます。また、振動の終わりも音と合いません。そのわずかなズレが、子どもにとっては“反応が分かりにくい”原因になっていると感じました」


特に、正解・不正解のフィードバックや、次の操作を促す合図といった場面では、タイミングのズレが体験の分かりやすさに直結します。
ERMでは振動の立ち上がりや立ち下がりが緩やかなため、音と完全に同期させることが難しく、結果として「振動しているだけ」という印象になってしまうケースがありました。


そこでDさんは、より高精細な触覚表現が可能な振動方式についても情報収集を行っていました。ゲーム機や高級デバイスで使われている「ワイドバンド」方式であれば、表現力の面では申し分ありません。


しかし商品企画者としては、コストや設計負荷、開発スケジュールへの影響を考えると、教育玩具としては現実的ではないと判断せざるを得ませんでした。
ERMでは物足りない。しかし、リッチすぎる触覚表現までは求めていない。その“ちょうど中間”にあたる選択肢が見つからないことが、商品企画を進めるうえでの大きな壁となっていました。

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