安全規格について

  1. 安全規格の概要
  安全規格とは、電気を使用する製品、部品に一定の安全基準を設けて一般消費者を感電や火災の危険から守るために、国やそれに代わる機関が定めたものです。
セットメーカーにおいては、セットに安全規格認可済の電源スイッチを使用することでスイッチの安全性に関して一定の保証が得られることと、そのセットの安全規格の認可試験の一部が軽減されるため、セットの認可を取得しやすくなる利点があります。
  2. 主な安全規格
  (1)電気用品安全法
  従来の「電気用品取締法」が「電気用品安全法」と改称され、平成13年4月1日から施行されました。電気用品は「特定電気用品」(旧 甲種電気用品)及び「特定電気用品以外の電気用品」(旧 乙種電気用品)に分類され、特定電気用品については、認定検査機関等で適合性検査を受け、その証明書を保存する義務があります。また、罰則も強化されています。
  (2)UL
  UL (Underwriters Laboratories Inc.)は米国の安全規格認可機関であり、消費者の安全確保および火災防止を目的としています。米国向けに輸出する電気機器に使用する電源スイッチは、UL登録品であること、またはセットの試験において、UL規格に適合することが州法や都市の条例により義務づけられています。
 
  (3)CSA
  CSA(Canadian Standards Association)はカナダの安全試験機関であり、電気器具をはじめとする機器について人体に対する安全および火災防止のため、試験と認可を行っています。カナダ向けに輸出する電気機器に使用する電源スイッチは、CSA承認品であるか、または電気機器の部品としてCSA規格に適合することが各州の法律により義務づけられています。
 
  (4)SEMKO
  SEMKO(Svenska Electriska Materielkontrollans-talten)はスウェーデンの安全試験機関で、家庭用電気機器による火災と感電の防止を目的としています。スウェーデン国内で販売するほとんどの電気機器は法律により、SEMKOの認可が義務づけられています。
 
  (5)BS
  BS(British Standard)は英国の工業規格および安全規格で、その認可機関にはBSI、BEABその他があり、電気機器についての安全性を確保するため検査を行っています。電気機器の認可は非強制ですが、認可品は販売上有利となります。
  (6)VDE
  VDE(Verband Deutscher Electrotechniker)はドイツの安全試験機関で、あらゆる電力の利用の時に生ずる人命の危険および火災の防止を目的としています。認可は非強制ですが、未認可機器による事故には罰則があるため、事実上強制となっています。
 
  (7)ENEC
  EU共通のEN規格に適合した認証マークとして、ヨーロッパで広く認知されています。
ENEC 協定に加盟している機関が認証を実施し、ENEC マークには、試験および認証を行った機関の識別番号が添えられます。当社製品では電源スイッチが対象となります。
 
  3. 安全規格の相互認証制度について
  (1)CB認証制度(CB Scheme)
  認証試験機関が発行するIEC規格に基づいた安全性試験証明書(CB証明書)を利用して、各国の安全認証手続きを簡略化することを目的とした国際的制度です。電源スイッチについても、IEC規格と各国家規格との差異部分の最小限の評価のみで、加盟国(欧州各国および中国等)の認可取得が可能です。
  (2)北米の相互認証制度
  UL(米国)とCSA(カナダ)ではそれぞれ相互認証制度があり、UL認可に基づきカナダでの販売可能となる「C‐UL-US」および、CSA認可に基づき米国での販売可能となる 「NRTL/C」 があります。
  4. 電源スイッチの定格表示の意味
 
  電子機器用電源スイッチ
  主として電子機器(TV、ラジオ、アンプなど)に使用される電源スイッチです。ただし定格電圧、定格電流以下の条件であれば、電子機器以外にも使用できます。
  一般機器用電源スイッチ
  電子機器および電動機をもつ機器以外の、突入電流のかからない機器(電熱器など)に使用される電源スイッチです。ただし電源スイッチの定格電流が、回路の突入電流値の1/√2以上であり、構造上の条件を満たせば電子機器にも使用できます。
  電動機用電源スイッチ
  主として電動機をもつ機器(複写機、掃除機など)に使用される電源スイッチです。
  5. 安全規格の用語説明
  1. IEC規格における絶縁クラス
  IEC規格においてスイッチは、絶縁の種類により次のとおり分類されています。
  (a)Class I 機器用のスイッチ
  アース端子のある電源プラグを使用し、通常の絶縁強度をもつ機器に使用するスイッチ。
  (b)Class II 機器用のスイッチ
  アース端子がなく二重絶縁または強化絶縁を行っている機器に使用するスイッチ。
  2. マイクロギャップ構造
  IEC規格における電源スイッチの型式の分類のひとつで、接点間隔が3mm以下(インパルス電圧定格が2.5kVの場合)のスイッチです。マイクロギャップ構造のスイッチには“μ”マークを表示します。また、マイクロギャップ構造のスイッチはIEC 規格において用途に制限があります。(屋外使用の電動工具、電源プラグのない情報処理機器などには使用できません)
  3. 電気用品安全法非対象のスイッチ
  電気用品安全法において、「機器組込用の特殊な構造」のスイッチは特定電気用品の非対象となっており、適合性検査義務はありません。しかし、技術基準は特定電気用品と同様に満足しなければなりません。電気用品安全法の非対象となる主な条件は次のとおりで、当社の電源スイッチはすべて非対象となります。
  (1)単極単投、単極双投、双極単投以外のもの。
  (2)信号切換用スイッチが付属しているもの。
  (3)リード端子、ファストン端子、ワイヤラッピング端子、プリント端子のもの。
  (4)手動操作用のつまみ、とってなどないもの。
  4. 認可型式名について
  電源スイッチの認可型式とは、安全規格認可証または、認可リストに記載されている安全規格上の型式名です。したがって、認可型式は当社製品名とは異なり同一シリーズ製品であっても、取得規格、定格などにより、認可型式が異なる場合があります。セットメーカーにおいてセットの安全規格申請をされる際には、使用するスイッチの認可型式にて申請をお願いします。

ご使用上の注意

  1. 一次側電源切換えの場合、安全規格の制約があり、また仕向地により内容が異なりますので特殊な使われ方の場合はご相談ください。
  2. 切換電流が0.5A以下の場合は、接触不安定となることがありますので別途ご相談ください。
  3. 電源スイッチは交流用として製作されています。直流に使用される場合は別途ご相談ください。
  4. 端子をはんだ付けされる場合、端子に荷重が加わりますと条件により、がた、変形および電気的特性劣化のおそれがありますのでご注意ください。
  5. はんだ付けの際、水溶性フラックスはスイッチを腐食させるおそれがありますのでご使用はお避けください。
  6. はんだ付けを2回行う場合、1回目のはんだ付部が常温に戻ってから行ってください。続けて加熱しますと外郭部の変形、端子のがた、脱落および電気的特性劣化のおそれがあります。
  7. ロック機構付きの製品は、ロックを解除した状態ではんだ付けを行ってください。ロック状態ではんだ付けを行いますと、はんだの熱によってロック機構部が変形するおそれがあります。
  8. つまみを着脱する場合はロックを解除した状態で行ってください。ロック状態で行いますとロック機構部が破損するおそれがあります。
  9. 押込移動量はできるだけ全移動量に近い位置でご使用するようにご注意願います。
  10. 取付ねじ類の締付けには規定の強度以内で行ってください。規定以上の力で締付けますと、動作不良またはねじ部の破損の要因となります。
  11. スイッチを使用するセットの周辺部材から腐食性ガスが発生しますと接触不良などの不具合の原因になるおそれがありますので事前に十分にご確認ください。
  12. 保管方法
  (1) 製品は納入形態のまま常温、常湿で直射日光の当たらず腐食性ガスが発生しない場所に保管し納入から6ヵ月以内を限度としてできるだけ早くご使用ください。
  (2) 開封後はポリ袋で外気との遮断を図り上記と同じ環境下で保管しすみやかにご使用ください。
  (3) 過剰な積み重ねは行わないでください。

測定・試験方法

  [回転トルク(作動力)]
  軸(レバー)を回転(移動)するのに必要なトルク(作動力)を測定する。特に規定がない限り、周囲温度5~35℃で行い、軸の回転速度は毎秒60°、レバーの移動速度は、毎秒20mmとする。
  [軸がた]
  基準面より、規定の曲げモーメントを互いに180°異なる方向から軸に直角に加えて、基準面から規定の位置における振れの大きさを測定する。
  [耐電圧]
  規定の箇所に交流電圧を1分間加え、アーク、焼損、絶縁破壊などの異常の有無を調べる。試験は、それぞれの端子を一括して行ってもよい。特に規定がない限り、下記の箇所の試験とする。ただし、構造上導通する機構になっているものでは、その部分の試験は行わない。
  [絶縁抵抗]
  規定の箇所を規定の電圧の絶縁抵抗計で測定する。特に規定がない限り、下記の箇所を試験する。
ただし、構造上導通する機構になっているものでは、その部分の試験は行わない。
  [耐電圧と絶縁抵抗の測定箇所]
  ・端子と軸(レバー)との間
  ・端子と金属カバー(枠)との間
  [押しおよび引張り強度(レバーの押しおよび引張り強度)]
  軸(レバー)の軸線方向に規定の大きさの力をそれぞれ10秒間加えた後、操作部および関連部分の変形、破壊、動作状態を調べる。