タクトスイッチ® の故障を防ぐ! ご使用前のチェックポイントのご紹介

異物の侵入を防ぐ

タクトスイッチ® 内部に異物が侵入しON/OFFしない、感触が悪い

タクトスイッチ® のステム、フレーム、ハウジングなどの隙間から異物が内部に入り込む可能性があり、これが可動部の摺動を妨げると感触不具合を起こす原因になります。更に、防塵タイプでないタクトスイッチ® では、その異物が接点にまで到達した場合、それが絶縁物であればONしない、導体であればOFFしない導通不具合の原因になります。

SKHHシリーズの例

異物が接点部まで至るメカニズムは、以下の通りです。
1. タクトスイッチ® 上に異物が落ち、ステム を押すことによりステムとフレームの隙間から異物が侵入。
2. 更にステムを押すことによりメタルコンタクトが上下し、メタルコンタクトが戻る際のエアにて異物が接点部近傍へ吸い寄せられる。
3. メタルコンタクトと固定接点間に異物が固着する。

SKRPシリーズの例

異物の侵入するケースにより対策は異なってきます

1. お客様が使用中に製品のタクトスイッチ® に異物が侵入する場合

異物の侵入する可能性の高い環境下でのご使用が想定される場合は、当社防塵タイプのタクトスイッチ® の採用をご検討ください。

2. タクトスイッチ® の実装基板の分割時に基板屑が侵入する場合

タクトスイッチ® を実装した基板を分割する際に発生した基板屑がタクトスイッチ® の内部に入り込む場合が見受けられます。基板分割時には集塵機を用いるなど基板屑が実装基板に残らないよう対応をお願いします。

仕様上の確認箇所

製品ページにPDFファイルを添付しています。『製品仕様書』のこちらの箇所をご確認ください。
(例:SKRPARE010)

水などの液体の浸入を防ぐ

タクトスイッチ® 内部に水などの液体が浸入しON/OFFしない

防水タイプでないタクトスイッチ® では、タクトスイッチ® 内部に水、溶剤、フラックス、コーティング剤等が浸入すると接点が腐食(電食)して、ON/OFFしない原因になります。

SKRPシリーズの例

実際の故障例

液体の浸入するケースにより対策は異なってきます

1. お客様の製品の筐体外部より液体が浸入する場合

筐体の構造や防水パッキンの採用などをして液体の浸入の対策をご検討ください。

または当社防水タイプのタクトスイッチ® の採用をご検討ください。

2. タクトスイッチ® の実装基板の製造工程で液体が浸入する場合

洗浄工程の場合

一部のシリーズを除き、実装基板の洗浄はお控えください。

ディップ半田工程の場合

半田前に塗布したフラックスがスルーホール等を通ってタクトスイッチ® に浸入する場合があります。タクトスイッチ® の取付穴寸法を遵守頂き、また、スイッチの取付以外のスルーホールや基板端面からはスイッチを離したレイアウトにしてください。その他、製品仕様書のオートディップ半田の条件をお守りください。

リフロー半田工程の場合

クリーム半田内のフラックスが、リフロー工程にてタクトスイッチ® に入り込む場合があります。製品仕様書に記載の半田付けに関する注意事項をご確認の上実装をお願いします。

コーティング剤を塗布する場合

コーティング剤をご使用になる場合は、事前に当社へ問合せ下さい。使用する接着剤やコーティング剤は腐食性ガスが発生するものや、スイッチ内部に染み込むような低粘度のものは使用しないでください。また、必要な接着強度や防水性が得られるか必ず実機にてご確認の上ご使用ください。

ご注意ください

SKRAシリーズなどラバー材使用のタクトスイッチ® の場合、ラバー材にグリス等の溶剤が付着するとラバーが膨潤し、タクトスイッチ® 内部に浸入しなくても動作不全を起こす場合がありますのでご注意ください。

仕様上の確認箇所

製品ページにPDFファイルを添付しています。『製品仕様書』のこちらの箇所をご確認ください。
(例:SKHHAJA010)

製品ページにPDFファイルを添付しています。『製品仕様書』のこちらの箇所をご確認ください。
(例:SKRPARE010)

その他にも以下のご使用上の注意もご確認をお願い致します。
B. 半田付け、基板実装工程 B4.
C. 洗浄工程 C1.
D. 機構設計 D2.
E. 使用環境 E1.外部浸入物 ② 及び E3.

異常な外力から故障を防ぐ

タクトスイッチ® に外部から異常な力が加わりON/OFFしない、感触が悪い

タクトスイッチ® は、強い力での操作や落下などの衝撃荷重が加わると、ON/OFF不良、感触の不具合の原因となります。

SKRPシリーズの例

SKPMシリーズの例

異常な外力が加わり分解したタクトスイッチ® を再度組立してご使用になるのはおやめください。

異常な外力の加わるケースにより対策は異なってきます

1. お客様が製品使用中に落下や異常な外力が加わる場合

スイッチのON時にキートップの先端がセット外形から凹の位置になるように設計をしてください。

変更前
変更後

またはストッパーをセット側で設けてタクトスイッチ® に直接衝撃が加わらないようにご配慮ください。

2. タクトスイッチ® の実装基板の工程内での取り扱い時に異常な外力が加わる場合

例 1
実装基板を収納トレーに出し入れするときは基板端をもっていただき、スイッチをトレーにぶつけないようにしてください。
例 2
タクトスイッチ® を押して、基板を分割することがないように注意ください。基板分割は、手割ではなく治具での分割を推奨します。
例 3
基板上の部品をリペアする際に、スイッチを取り扱う場合にはハウジング側面を持って半田付けしてください。
仕様上の確認箇所

製品ページにPDFファイルを添付しています。『製品仕様書』のこちらの箇所をご確認ください。
(例:SKRPARE010)

その他にも以下のご使用上の注意もご確認をお願い致します。
B.半田付け、基板実装工程 B3.
SKSUBCE010の仕様書
D.機構設計 D10.及び、D12.
他モデルでは記載されている項番が違いますので各モデルの仕様書をご確認ください。