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ソフトウェアが車両を個性化する

アルプスアルパインの見すえる未来

車の機能の50%以上をソフトウェアが実現する。
そんな未来を見すえた、アルプスアルパインの取り組み。

1981年に世界初のカーナビゲーション「エレクトロ・ジャイロケータ」を本田技研工業株式会社様と共同開発して以降、アルプスアルパインは車載情報通信機器の分野で実績を積み重ねてきました。カーナビゲーションシステムなど「ALPINE」ブランドの市販製品を展開し、国内外の自動車メーカーに向けてOEM製品を供給。システム設計力とソフトウェア開発力を養い、ユーザーの使いごこちを追究し続けた結果として、ビッグXシリーズはJ.D.パワージャパンによる日本ナビゲーションシステム顧客満足度調査で、2019年度まで8年連続で総合満足度No.1に選出されています。
そしてアルプスアルパインは、大変革が加速する自動車産業の今に対応するとともに、5年後10年後の未来へ向けた新たな取り組みも始めています。

2030年のスマート社会とスマートモビリティ

日本政府が提唱する「Society 5.0(超スマート社会)」をはじめ、さまざまな分野で「スマート」をキーワードにした展開が進行しています。スマートソサエティ、スマートエネルギー、そして自動車が関わるスマートモビリティ。AIやビッグデータ、IoTなどのイノベーションを活用し、より便利で快適な新しい豊かさに満ちた社会の創出が模索されています。
そんな流れのなか、アルプスアルパインはお客様とともに2030年のスマートモビリティ社会を見すえ、さまざまな技術開発に取り組んでいます。そこではCASEの自動運転や電動化が大きく進展し、自動車を含めたあらゆるものがネットワークで接続。MaaS領域で多くの新サービスが生み出されていることが予想されます。システム設計やソフトウェア開発もナビ画面の領域からコックピット全体、やがてキャビン全体へと広がり、情報やサービスを提供していくことが求められると思われます。

車の機能の50%以上がソフトウェアで実現する時代へ

自動車のIT化の進行に合わせて、今後より重要になっていくと見込まれるのが、「ソフトウェア・ディファインド・カー(ソフトウェア・ディファインド・ビークル)」という概念です。近年スマートフォンやPCのコモディティ化が進んだことで、ハードウェアのスペックよりもアプリケーションやサービスが重視されるようになってきました。これと同様の状況が自動車でも起こることが予想され、将来は車の機能の50%以上がソフトウェアで実現できるようになると言われています。各車両はハードウェアの共通化・標準化が進み、ソフトウェアによって作り分けや機能の追加・向上が実現していきます。

普段使いの車、ドライビングを楽しむ車、アクティブなライフスタイルを楽しむ車といった個性の違いはソフトウェアが担い、ユーザーの乗り方や使い方に合わせてカスタマイズすることが可能になるでしょう。 さらにソフトウェア・ディファインド・カーは、ユーザーだけでなく作り手側やサービスプロバイダにも多くのメリットをもたらします。車両の開発・評価・診断などは、実車なしでのシミュレーションも可能になると予想されます。ハードウェアを待たずソフトウェアから車両開発に着手できるので、新たなサービスの開発もますます拡大するでしょう。そして、車両状況や走行履歴をデータ管理することで、よりタイムリーかつニーズに合わせたサービスの提供も可能になります。

アルプスアルパインが考える「インビークル・マネージャー」コンセプト

このようにソフトウェアに大きく左右される新時代の自動車市場に対応し、新たな価値を創造するものとして、アルパインアルパインは「インビークル・マネージャー(In-Vehicle Manager)」というコンセプトを考えています。これはメータークラスターやナビ、オーディオといったインフォテインメント機器を適切なタイミングで制御する「インビークル・インフォテインメント(In-Vehicle Infotainment)」の概念をさらに進めたものです。
インビークル・マネージャーが目指すのは、ディスプレイ、ステアリング、シート、空調など車室内で人が見るもの触れるものを統合制御すること。そして乗車中のみならず、乗車前から降車後までを考えたシームレスな移動空間を実現することです。情報や音楽、動画コンテンツの提供といったインフォテインメントの制御はもちろん、車内デバイスの操作、ドライバーのモニタリングなど、ユーザーのHMI(Human Machine Interface)を幅広く想定したシステム開発を検討しています。

また、現在の車は装備する電子制御システムそれぞれに対応するECU(Electronic Control Unit)が100~200個も搭載されていますが、1つ1つに制御ユニットを要する設計は煩雑であることから、自動車メーカーでは統合化を進めています。将来的には、例えば「自動運転」「ADAS(運転支援)」「パワートレイン」「通信」「車室内(インビークル・マネージャー)」のように近い機能ごとにECUを集約することが想定されます。これにより、さらに効率的な制御が可能になり、ソフトウェアによる車両の進化も加速していくでしょう。アルプスアルパインはこうした動向を見すえ、インビークル・マネージャーの領域である車室内ECUのみならず、キャビンシステム全体へ範囲を広げた独自の設計・開発を進めています。

さらに、アルプスアルパインの車室内制御の提案で他にはないメリットとなるのが、電子部品事業で培ってきたコア技術です。2019年に経営統合したアルプスアルパインは、両社の強みをかけ合わせてシナジーを生み出すことを目指しています。高度なシステム&ソフトウェア開発と車室内を上質に演出する静電容量技術やフォースフィードバック技術などを用いたHMIデバイスが融合することで、新たな移動体験をユーザーにもたらすことが可能になります。

5年先10年先のモビリティ社会を見すえて、新たな取り組みを進めているアルプスアルパイン。ここにご紹介した技術やシステム、提案力を活かし、さまざまな課題にきめ細かく応えていくことで、今後もお客様と足並みをそろえて未来へ進んでいきます。